入手困難。西川町の”幻”の生ワイン「月山トラヤワイナリー 月山山麓ほいりげ」

トラヤワイナリー「ほいりげ」

「知る人ぞ知る」―――酒どころのまちには、そんな言葉が似合うお酒があるものです。大型スーパーやお土産コーナーをどれだけ巡ってもなかなか出会えることはない、だけど地元の人は愛してやまない…そんなお酒だって探せばたくさんあるものです。例えば日本酒「朝日鷹」。この日本酒は全国の日本酒通から絶大な人気を誇る「十四代」の高木酒造がつくった日本酒です。「十四代」は東京で買おうものなら2万円3万円はくだらないほどのプレミアム日本酒ですが、一方の「朝日鷹」は「十四代」に迫るとも言われる洗練された味わいを持っていながら、地元・村山では数千円で手に入るそう。そうそう、筆者の父方の実家は村山市で、仏壇の脇には確かに「朝日鷹」が鎮座していました。そんな「知る人ぞ知る」「地元の人に愛される」というお酒は、お酒好きならば一度は味わってみたいものです。

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さて、筆者が暮らす山形県西川町にも「知る人ぞ知る」で「地元の人に愛される」、そんな特別な”幻”のワインがあります。それがトラヤワイナリーがつくる、しぼりたて濁りワイン「月山山麓ほいりげ」です。「月山山麓ほいりげ」はドイツのフェダーヴァイサーに分類されるワインで、フェダーヴァイサーをつくるワイナリーは日本でもほとんど無いそうです。その理由はボトルにつけられた説明札を見ればよくわかります。

トラヤワイナリー ほいりげ

「月山山麓ほいりげ」は発酵終了後すぐに冷却し完全無添加・無濾過でボトリングされる、いわば「しぼりたて生ワイン」です。そのためボトルの底にはオリが見られ、抜栓しグラスに注げばシュワシュワと微発泡します。これはまさに酵母が生きているその証。ひとたび口に含めば「生きているワイン」のあまりのフレッシュさに、必ず虜になることでしょう。

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ところで、これだけ甘くフレッシュで飲みやすいワイン「月山山麓ほいりげ」、西川町やその近隣自治体以外ではほとんど流通していません。筆者も山形市に住んでいたころは一度もお目にかかることはできませんでした。それもそのはず、「月山山麓ほいりげ」はそのフレッシュさ故、品質管理が非常に難しいのです。まずこのワイン、決して横に倒してはいけません。また強い振動や衝撃を与えてもなりません。それだけでなく常温保存ができないため、抜栓するまで5度以下の保冷状態で保存しなければなりません!―――もしこうした「約束事」が守られなければ、ボトルの中の酵母が再活性化してしまい、栓が飛んでしまう恐れもあるそうです。

トラヤワイナリー ほいりげ

とはいえ、これだけ美味しいワインが地元・西川町民に愛されないわけはありません。今年の「月山山麓ほいりげ 白・ロゼ」は昨日11月6日に解禁され、筆者も解禁日当日に予約分を受け取りに行きました。その折、トラヤワイナリー西川工場の方から衝撃的な一言を聞きました。

「今年のほいりげ白・ロゼは、もう予約分で終了になったんです。」

なんということでしょうか!解禁日当日にすぐさま入手困難になるワインが日本にどれだけあるでしょうか。いま手元にある白2本・ロゼ1本の「月山山麓ほいりげ」が幻の生ワインであることを考えると、筆者が西川町に住んでいることがとても恵まれたことで幸運なことだと再認識させられます。知る人ぞ知る、幻の銘酒に乾杯!

(文・写真 西川町地域おこし協力隊 渡部芳章)

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月山トラヤワイナリー

http://wine.chiyokotobuki.com/

所在地:山形県西村山郡西川町吉川79

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