【インタビュー】吉村美栄子さん (山形県知事)

   吉村美栄子 (1951年5月18日)
山形県大江町出身
お茶の水女子大学を卒業
1974年~リクルート勤務
1981年行政書士の資格取得後、1998年山形市総合学習センター勤務
2000年行政書士を開業
2009年2月14日より、山形県知事となりました。

 

山形県の吉村美栄子知事に、若者目線で山形の魅力を発信するyamagata5○(やまがた ごえん)に、若者へのメッセージなどをいただきました。

知事ってどんな人?!

赤羽―yamagata5○(やまがた ごえん)では、私たち学生から見た山形の魅力について発信しています。温泉や食についてのコラムがあるのですが、吉村知事が好きな山形の食べ物はなんですか?

吉村知事(以下吉村)―う~ん、おいしいものが沢山あるのですが、特にと言われれば果物です。
果物全般が好きですが、その中でもメロンが好きかな。さくらんぼ、すいか、リンゴ、桃、すもも、ぶどう、ラ・フランスと山形では色々採れるけど、ミカンが採れないと聞いていましたので、今、山形の離島である飛島で栽培実験をしているんです。

櫻井―山形はフルーツ王国と言われていますよね!柑橘類は山形では採れないんですか?!

吉村―内陸の方では難しいようですが、飛島は内陸より2℃くらい平均気温が高いから、いけるんじゃないかと思っています。
そして、すだちやレモンなんかも採れるようになったら、それを島でとれた新鮮な魚にぎゅっと絞ってかけて食べたらおいしいでしょ?

櫻井―知事は想像力が豊かなんですね! おいしそうでお腹が減ってきてしまいました…。

赤羽―吉村知事のチャームポイントは何ですか?

吉村―「笑顔」です。
この質問、就職活動中に面接で聞かれたことがあります。その時はすごく迷いました。
自分で自分の長所なんて中々答えられないじゃない。

櫻井―そうですよね!就職活動で何を聞かれるか…私たちも3年で就職活動をはじめる年なので、すごく気になります。吉村知事は何と答えたんですか?

吉村―そのときは「目」と答えたけれど、後で就職した先の人事担当に聞いたら、何でも良かったんだって。困難な局面を切り抜けられるかを見たかったということでした。
そして今はやっぱり笑顔が大事だって思ってますので、チャームポイントは笑顔です。

櫻井―なるほど、困難を乗り越える力というのは、とても大切ですね!知事としてのお仕事の中でも笑顔を大切に取り組んでいらっしゃるんですね!

知事の道へと進んだきっかけ

赤羽―小さい頃になりたかった職業はなんですか?

吉村―年齢によって変わっていきましたね。自分の記憶の中で一番小さいころはお母さんみたいになりたいなあと思ってました。
あと、小学校の低学年のときは果樹園のお嫁さんですね。沢山おいしい果物を食べられるから(笑)
小学校高学年では、読書好きだったので、空想とかにのめりこんでいるっていうかね、探検家になりたかったですね。アマゾンの奥地とか人の行ったことないようなところを探検して。
そして中学校のときは正義感が芽生え、新聞記者でした。だから今新聞記者やマスコミの方と接しているとそのことを思い出します。

それから高校とかになってくるとね、だんだん自分の可能性がわかってきて、その頃生まれた姪っ子の言葉に助詞である「は」とか「が」とかがないのに気づいて、それで言語心理学をやってみたいと思いました。それで教育心理学のあるところに進学したんですけどね。
大学時代は研究者やカウンセラーとかになりたかったんですけど、そのころカウンセラーになるには10年かかると言われていたので断念し、普通に会社に就職したんです。

周りが望んでいて、自分も必要だとそう思った時期がいいチャンス

櫻井―知事になったというのは、ものすごいチャレンジですよね?

吉村―そう、ものすごいチャレンジ。この歳でね、そういうことをやるのかと自分でも思いましたけど。
やっぱりそういう時期が到来したっていうか、私はそう思っていますね。周りが望んでくれて、自分も必要だとそう思った時期がいいチャンスなのかなって。だから何歳になっても遅くないよって。

櫻井―ある程度積み上げたものがあると、新しいチャレンジに憶病になってしまうのではないかと思うのですが、吉村知事は新しいチャレンジにどんな事を想いましたか?

吉村―私の息子に対して、北条早雲(ほうじょうそううん)っていうひとは50歳過ぎから運がめぐってきてね、大将になったのは60歳過ぎてからだって、そういう人生もあるんだよって言っていたのが自分がそうなっちゃって(笑)
いろんな人生あるよねって。

人間として、質の豊かな生活ができる場所

櫻井―知事は若いころ(大学生ごろ)、山形に対してどんな思いや考えを持っていましたか?

吉村―大学生のころは県外(東京)にいました。実際山形を離れてみて、子供を育てる時は山形だと思っていました。
東京は山形と違って、山が見えないし、ビルディングばっかりで季節感がないと思ったんです。
子育てをするなら、すぐ近くに田んぼや畑があることで季節感を感じられる場所、山形に帰って子育てしたいなあと考えていました。

赤羽―知事は、若者に山形で、どんなことをしてほしいと考えていらっしゃいますか?

吉村―具体的なことは本人が決めることだと思いますが、山形には素晴らしい資源があります。まずはその良さを見ていただきたいと思っています。
そのためには目で見て、触って、感じてもらって山形の素晴らしい資源を良く知ってもらいたいですね。

櫻井―私たちは県外の出身ですが、山形に来て食べ物や環境、温泉など素敵な資源に恵まれていると感じました!

吉村―山形に来てもらえれば、温泉王国とか食べ物がおいしいとか、また山形県民の人間としての根っこの部分が優しいとかが良くわかるんだと思うんですよ。
それで、山形では人間として質の豊かな生活ができるということがわかると思うんです。
私も子供も山形を離れてからわかったんですが、そういうことをみなさんも五感で確かめていただければと思っています。

櫻井―震災では東北地方の“我慢強さ”も取り上げられましたね。若者に山形でどんな風に仕事に取り組んでもらいたいと考えていますか?

吉村―色んなチャレンジの仕方があると思うけど、地面にしっかり足をつけて生きていってほしいなと思っています。まずは目の前の事に楽しんで取り組んでほしいと思います。

人と人の絆が生きている、山形

赤羽―山形のよさとはなんだと思いますか?

吉村―よく一番大事なものはなんですか、と聞かれます。私は県民と答えるんですね。県民の皆様がいなければ県なんてないわけですから。
そして、藤沢周平作品の読後感のようにあったかさが残る、あれが県民性なんですね。
それと、山形の戸沢村は国民健康保険発祥の地、鶴岡市は学校給食の発祥の地なんです。

櫻井―それは知りませんでした!私たちが当たり前と思っている給食や国民年金は山形の人のあったかさから生まれたんですね!

吉村―つまりね、一つの地域で助け合うとか、困ってる子供にみんなで協力して食べていくことができるようにするとか、人間の生活で基本的なところから生まれたシステムがよいこととして全国に広まっていった経緯があるわけです。

赤羽―山形への移住や子育てを考えている人に対して、四季以外にも山形のアピールポイントを教えてください。

吉村―大震災のときにも、人と人との絆が生きているのが東北社会だと発信されましたけど、まさに山形もそう。例えば子供を育てるときも、旦那さんと二人では難しいという声もあるので、家族や地域、行政に手伝ってもらって、社会の中でみんなで子育てしようという土壌を作っています。子育てタクシーという制度もありますしね。みんなでできることをやって支えあっていくという風土があるので、ぜひ山形の良さを知ってほしいですね。


激務の中で大切にしているものは?

櫻井―知事自身も、家族や家庭を持ちながらのご公務と思いますが、家事をされながら、どうやって公務と両立させていますか?

吉村―知事って仕事は、休みがほとんどないんです。休みはほとんどないし、夜何時に帰れるかわからないという感じでね。だから正直私、家庭と両立ってしてないんじゃないかと思います。でもそのことについて家族から理解してもらっています。
ただちょうど昨日休みをもらえたんで、敬老の日だったし、そういうときは家族サービスをしまくります。
昨日は、だから朝ごはんと昼ごはんを手づくりして、夜は83歳の義母と90歳の義父に外食をおごりました。

それから必ず、朝ごはんを家族3人で食べて、15分くらいお茶飲みするんです。で、90歳のおじいちゃんがお茶出してくれるんです。決まってるんですよ、朝のお茶係が。
それで新聞なんか見て「今日はどこそこに行くんだなー」なんて会話になるんですよ。ご飯の時もなんですけどね。それでそのご飯とお茶の時間という3人の時間が必ずあって、それが私の両立っていうか、家族として成り立っているものになっています。

櫻井―知事自身も人と人との絆、家族との繋がりを大切になさってるんですね。

吉村―そう。できるだけ、コミュニケーションを大切にね。


知事からのメッセージ

赤羽―yamagata5○(やまがた ごえん)は、県外の方などに山形を良いところだと感じてもらい、住んでもらえるようなきっかけを創っていくことを目指しています。若い人へ知事から、山形暮らしのPRやメッセージをお願いします。

吉村―そうですね、山形は本当に人間らしい生活ができるところです。若い時だけでなく、結婚して子育てして、歳をとってからも、人間らしい生活ができます。
水が清く、豊かな自然に恵まれている。雪はちょっと降りますけどね。食べ物もおいしい、温泉もある、色んなものが揃っていて、心豊かに生きていける、それが山形県です。人間らしく生きていきたい人にはお勧めの場所です。

また、山形は非常に文化的な地域なんです。みんなそれをひけらかさないですけどね。井上ひさしさん、藤沢周平さん、そして三太郎の日記を書いた阿部次郎さんも山形出身です。
あと、モンテディオやパイオニアレッドウィングスなどのプロスポーツもあるし、山形交響楽団もあります。ほんとにPRするところが盛りだくさんです。

最後に若い方々へのメッセージとしては、常に自分を磨くことをやるっていうことですかね。それが必ず役に立つ時がくるし、無駄なことは何もないと思う。
色んな人と会って色んなことを聞くとか、やってみるとか、絶対みなさんの成長の糧になると思うし、毎日毎日アンテナ立てて色々とチャレンジしてほしいと思います。
あっという間でしたね。ありがとうございました。

赤羽・櫻井――ありがとうございました。


インタビューを終えて

最初、緊張していたわたしたちに、知事はとても気さくに話してくださいました。
知事からお話をお聞きすることで、観光以外の山形の土地の良さを知ることができました。
知事の人柄にそれが出ていたのでは、と思います。
このサイトを訪問して頂いた方にも、そんな温かさを感じていただければ嬉しいです。
大変多忙な中、インタビューにお答えいただきありがとうございました。
 

吉村知事はチャームポイントの笑顔がとっても素敵な方でした。
想像力が豊かで、お話を聞いていてとても楽しく、私たちの質問にもじっくりと答えてくださいました。
私も山形に来て、山形が好きになった1人です。
山形の方が当たり前と感じている生活の中から、県外出身者としての目線で
日常で感じた、山形の人柄や、恵まれた素材を伝えていけたらいいなと思いました。
議会で多忙な中、貴重なお時間ありがとうございました。

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